歯科健診を受けよう
歯の健康は、食事や会話を楽しむなど、豊かな生活を送るために必要なだけでなく、全身の健康ともつながっています。
定期的に健診を受けて、歯の健康づくりに努めましょう。
むし歯・歯周病の早期発見・早期治療のために
「歯」はとても大切なものにもかかわらず、その寿命は長くなった平均寿命に追いついていません。歯を失ってしまうのは、“むし歯”と“歯周病”のために抜けたり、抜かれたりすることがほとんどです。どんなむし歯、歯周病でも、決して1日や2日で急に悪くなってしまうものではなく、悪くするまで予防の大切さに気付いていないのが実情ではないでしょうか。
いつまでも歯と口の健康を保っていくために、セルフチェックと定期的に健診を受けることをおすすめします。
自然に治らない むし歯
むし歯の原因を知ろう!
口の中には200種類以上の細菌がいますが、むし歯をつくる最強の菌はミュータンス菌。口の中に入ってきた糖分を取り込んで歯の表面に張り付き、この中で増殖して歯垢(プラーク)に成長します。糖分が与えられると酸を作って歯のエナメル質を溶かします。偏った食事や、間食をダラダラ続けるのは、菌にエサを与えているようなものです。
むし歯の症状はこう進む
C1(エナメル質のむし歯)
歯の表面や溝が灰白色や黄褐色に変化。エナメル質が侵され、歯の表面に穴があきます。まだ痛みはありません。
C2(象牙質まで進んだむし歯)
むし歯が象牙質まで進行。病巣も灰色や黒色に変化します。冷たいものや熱いものがしみたり、痛みを感じたりします。
C3(歯髄まで進んだむし歯)
さらにむし歯が進むと、歯髄の炎症が起こり、大きな穴があきます。激しい痛みがあります。
C4(歯根だけ残ったむし歯)
歯冠部は大きく壊され、歯髄が死んでいるため、痛みがなくなる場合があります。化膿を繰り返し、全身の病気の原因になることもあります。
むし歯を見つけるチェックポイント
- 歯並びが悪い。
- 家族に歯の悪い人が多い。
- やわらかい食べ物が好き。
- 間食が多く、清涼飲料水が大好き。
- しみたり、痛んだりする歯がある。
- 偏食で、甘いものをよく食べる。
- 歯と歯の間にすき間があるため、食べ物がつまりやすい。
- 奥歯を磨くときに、吐き気をもよおす。
歯と口の生活習慣病 歯周病
初期症状がなく、静かに進行…
歯と歯肉の間のすき間には「歯周ポケット」があります。ここに歯垢がたまって炎症が起きたのが「歯肉炎」。「歯周病」は歯周ポケットがさらに深くなり、歯垢が石灰化して歯石がたまった状態で、ひどくなると歯根膜や歯槽骨を破壊し始めます。成人の8割は歯周病にかかっているといわれています。偏った食生活や喫煙、ストレス、かみ合わせの悪さなどが歯周病を悪化させます。
歯周病の症状はこう進む
歯肉炎
歯肉が赤くはれ、歯肉の表面に炎症が起こっている状態です。
軽度歯周炎
歯肉の炎症が進み、歯根膜や歯槽骨の破壊が始まります。歯と歯肉の境目に、3~5mmの歯周ポケットという病的な溝ができます。
中等度歯周炎
炎症がさらに拡大し、歯槽骨も半分近くまで溶けてしまい、歯はぐらつきはじめます。
重度歯周炎
炎症が歯肉を越え、歯根膜・歯槽骨まで広がります。歯根が露出し、歯はグラグラになり、最後は抜けてしまいます。
歯周病を見つけるチェックポイント
- 朝起きたとき、口の中がねばつく。
- 歯磨きのときに出血する。
- 口臭がある。
- 歯ぐきが腫れ、赤みや濃淡がある。
- 水やお茶がしみる。
- 歯ぐきを押すとうみが出る。
- ぐらつく歯がある。
- 歯ぐきが下がり、歯が長くなったような感じがする。